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ドイツサッカー 香川真司 [スポーツ]

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「念が通じたのかな」と笑顔でゴールを振り返る

 ドイツはちょっとした「カガワ・フィーバー」に沸いていた。

 ドルトムント対フライブルク戦の当日(9月13日)の『ビルト』紙は、笑顔を浮かべる香川真司とユルゲン・クロップ監督の写真とともに「カガワが帰ってきた」と見出しを打ち、「更衣室のロッカーも以前と同じ場所。現在はホテル暮らしだが、10月から新居に移る予定」と、周辺取材もしっかり進めて記事にしていた。
 11日付の『キッカー』誌は、「ロイス欠場をカガワが助ける」とし、3年ぶりに復帰した日本代表MFが、負傷離脱したエース、マルコ・ロイスの穴を埋めるだろうと展望した。



 そんな論調に呼応するかのように、試合前のアップ時にはゴール裏の南側スタンドから「カーガワ、シンジー」のチャントが湧き起こる。熱烈に復帰を歓迎する大音量の掛け声に、手を振って応える香川。復帰戦として最高の舞台が、本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに用意された。

 サポーターとメディアの視線を一身に浴びながら、ピッチの香川がいきなり水を得た魚のように躍動する。開始1分、左サイドでパスを受けて展開すると、そこから積極的にボールに絡んでいく。狭い局面でもアウトサイド、インサイドを巧みに使い分けて打開を図り、クロスボールに合わせて果敢にエリア内に進入し、ゴールを狙った。

「トップ下に入ったので、前線で流動的に動きながら顔を出していこうと思っていた」と言う香川は、2年間のブランクをほとんど感じさせなかった。完璧なハーモニーを奏でたとは言えないまでも、周囲との連係はしっかり取れていた。

 ところが、「相手が11人で守ってスペースがなかったので、厳しいなと思いながらプレーしていました」(香川)というように、なかなか決定的なチャンスがつかめず、もどかしい時間が続く。そんな閉塞感を打破したのは、やはり香川だった。

 34分。中盤左サイドで敵を背負いながら縦パスを受けた香川は、切り返しで敵の間合いを外し、スルーパスを送る。「ケビン(グロスクロイツ)がうまく裏に抜け出したので、自分も良いタイミングで出せた」というそのパスは、左サイドを突っ走るケビン・グロスクロイツへ通り、グロスクロイツが折り返す。そのクロスに合わせたのはアドリアン・ラモス。新加入のFWが先制のネットを揺らした。

「あれだけ敵に引かれると、攻撃のリズムを作ることができない。それだけに、いい形で先制点を取れたのがすごく大きかった」(香川)という値千金の先制点で、ドルトムントは勢いに乗った。

 そして41分だ。香川に待望のゴールが生まれる。

 右サイドからのクロスに反応し、ヘンリク・ムヒタリアンとともに香川はエリア内へ。前方のムヒタリアンがスルーしたところを、GKの位置を確認して冷静に右足でネットに沈めたのだ。

 ファーサイドに詰めていた香川は、ムヒタリアンに「スルーしろ」と叫んだそうだが、「たぶんムヒタリアンはシュートを狙っていた(笑)。自分の念が通じたのかな」と、嬉しそうにゴールシーンを振り返った。

 昨シーズンのマンチェスター・ユナイテッドでは、香川はノーゴールに終わった。ホーム最終戦では、「(ゴールという)結果をつかめなかったので、すごく難しい、辛いシーズンだった」と失意の1年に唇を噛んだ。しかし、心機一転して決意したドルトムント復帰、その再デビュー戦をみずからのゴールで飾ってみせたのだ。

 右足の太もも裏が攣って途中交代し、「緊張なのか、コンディションからなのかは分からないが、身体がちょっと重かった。身体が動いてきたところで足にきた。もっとフィットネスをあげないと」とコンディションの課題を口にしたものの、1ゴールを奪い、もう1点に絡む活躍だ。ほぼ文句なしの再デビュー戦だったはずだ。




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